[コラム]サーモウッドについて

木質外壁材としてサーモウッドを使用するメリットとは?


サーモウッドと未処理木材の10年後の状態比較
同じ天然木でも熱処理の有無で長期耐久性に差が生じます。

結論

木質外壁材としてサーモウッドを採用する最大のメリットは、

  • 寸法安定性が高い
  • 耐朽性が向上する
  • 外壁の反り・割れを抑制できる
  • 木本来の断熱性能を活かせる
  • 薬剤を使用しないため安全性が高い
  • 高い意匠性を長期間維持できる

という点にあります。

近年、公共施設・ホテル・商業施設・住宅において木質外装材の採用が増えていますが、その一方で

「反り」
「割れ」
「腐朽」
「メンテナンス」

が課題となるケースも少なくありません。

その課題を解決する材料として注目されているのがサーモウッドです。

本記事では、木質外壁材としてサーモウッドを使用するメリットを、設計・施工・維持管理の観点から詳しく解説します。


目次

  1. サーモウッドとは?
  2. 木質外壁材に求められる性能
  3. サーモウッドを外壁に使用するメリット
  4. 未処理木材・人工木との比較
  5. 設計時の注意点
  6. よくある失敗例
  7. 紀州材サーモウッドの特徴
  8. FAQ
  9. まとめ

サーモウッドとは?

サーモウッドとは、高温の水蒸気と熱のみを利用して木材を改質した木材です。

一般的には180~220℃程度の高温環境で処理されます。

この熱処理によって、

  • 木材内部の水酸基が減少
  • 吸湿性が低下
  • 腐朽菌の栄養源が減少

するため、

  • 寸法安定性
  • 耐朽性
  • 耐候性

が向上します。

薬剤を使用しないため、環境負荷が少ない点も大きな特徴です。


木質外壁材に求められる性能

外壁材は非常に厳しい環境にさらされます。

長期間の湿潤状態は腐朽の原因になります。

紫外線

表面劣化や変色を引き起こします。

温度変化

膨張・収縮による割れや反りが発生します。

風圧

外壁材には十分な固定強度が必要です。

そのため木質外装材には、

  • 耐朽性
  • 寸法安定性
  • 安全性
  • 施工性
  • 意匠性

が求められます。


サーモウッドと未処理木材の寸法安定性や耐朽性の違いを示した比較図
サーモウッドは熱処理により吸湿性が低下し、反りや割れを抑制できます。

サーモウッドを外壁に使用する5つのメリット

① 寸法安定性が高い

最大のメリットは寸法安定性です。

熱処理によって吸湿性が大幅に低下するため、

  • 反り
  • ねじれ
  • 膨張
  • 収縮

が抑制されます。

これは特に、

  • ルーバー
  • 格子
  • 外壁材

において大きなメリットとなります。

施工後の変形リスクが低いため、設計意図を長期間維持できます。


② 耐朽性が向上する

サーモウッドは腐朽菌の栄養源となる成分が減少しています。

そのため未処理木材と比較すると耐朽性が大幅に向上します。

外壁は常に雨や湿気の影響を受けるため、

耐朽性は非常に重要な性能です。


③ 高い意匠性を実現できる

木質外壁材ならではの魅力は、

「本物の木の表情」

です。

人工木では表現できない

  • 木目
  • 陰影
  • 温かみ

を演出できます。

特に近年の建築では、

  • ホテル
  • 温浴施設
  • 公共施設
  • 高級住宅

で採用が増えています。


④ 木材本来の断熱性能を活かせる

木材は熱伝導率が低いため、

金属やコンクリートに比べて熱を伝えにくい素材です。

そのため、

  • 夏は熱を伝えにくい
  • 冬は冷たくなりにくい

という特徴があります。

木質外装材は建築物の温熱環境改善にも寄与します。


⑤ 薬剤不使用で安全性が高い

サーモウッドは熱と水蒸気のみで製造されます。

防腐剤を使用しないため、

  • 人体への配慮
  • 環境負荷低減
  • SDGs対応

という観点でも評価されています。

公共施設や教育施設でも採用しやすい材料です。


サーモウッドと人工木および未処理木材の性能比較図
木質外壁材選定では耐久性だけでなく意匠性や環境性能も重要です。

木質外壁材の比較表

項目サーモウッド未処理木材人工木
寸法安定性
耐朽性
木の質感
断熱性
安全性
メンテナンス性
経年変化美しい銀灰色化劣化しやすい変化少ない
環境性能

設計時の注意点

通気層を確保する

木質外壁材では通気層が非常に重要です。

推奨構造

外壁材

胴縁

通気層

透湿防水シート

下地

湿気を逃がすことで耐久性が向上します。


雨仕舞いを重視する

軒の出が少ない建築では、

木部が常時濡れやすくなります。

  • 水切り
  • 笠木
  • 見切り

を適切に設計することが重要です。


施工ビスの選定

外壁材にはステンレス製ビスを推奨します。

異種金属による腐食を防止できます。

サーモウッド外壁の通気構法断面図と通気層の仕組み
木質外壁では通気層の確保が耐久性向上の重要なポイントです。

よくある失敗例

失敗① 通気層不足

内部結露が発生し耐久性が低下します。


失敗② 雨掛かりの検討不足

南面や西面で劣化が早くなる場合があります。


失敗③ 木材選定だけで判断

木材が良くても、

納まりが悪ければ耐久性は確保できません。

材料・設計・施工のバランスが重要です。


紀州材サーモウッドを外壁とルーバーに採用した建築外観
紀州材サーモウッドは外壁・軒天・ルーバーなど幅広い用途で採用されています。

紀州材サーモウッドという選択肢

木質外壁材としてサーモウッドを採用する場合、

国産材を活用した選択肢として紀州材サーモウッドがあります。

特徴は、

  • 和歌山県産材を使用
  • 薬剤不使用
  • 高い寸法安定性
  • 外壁・軒天・ルーバー・格子に対応
  • 国産材による安定供給

です。

特に公共施設や地域材利用案件では有力な選択肢となります。


FAQ

Q. サーモウッドは何年くらい持ちますか?

設計条件や施工条件によりますが、適切な通気・雨仕舞いを行うことで長期間使用できます。


Q. 外壁に塗装は必要ですか?

無塗装でも使用可能ですが、意匠維持を目的として塗装を行う場合があります。


Q. メンテナンスは必要ですか?

定期点検を推奨します。木材保護塗料を使用する場合は再塗装が必要です。


Q. 人工木とどちらが良いですか?

意匠性や天然木の質感を重視する場合はサーモウッドが有利です。


Q. 公共施設でも使用できますか?

可能です。実際に公共施設や学校、観光施設などでも採用されています。


まとめ

木質外壁材としてサーモウッドを採用するメリットは、

  • 高い寸法安定性
  • 優れた耐朽性
  • 本物の木の意匠性
  • 高い安全性
  • 優れた環境性能

にあります。

特に近年の建築では、

「木質化」
「脱炭素」
「地域材利用」

が求められる場面が増えており、サーモウッドはその有力な選択肢の一つとなっています。

重要なのは、

「良い木材を選ぶこと」

だけではなく、

「適切な設計」
「適切な納まり」
「適切な施工」

を組み合わせることです。


お問い合わせ(CTA)

紀州材サーモウッドでは、

  • 外壁材
  • 軒天材
  • ルーバー
  • 格子
  • フェンス
  • デッキ

など、用途に応じたご提案を行っています。

設計段階でのご相談やサンプル請求、仕様検討も承っております。

木質外装材をご検討中の方はお気軽にお問い合わせください。

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