サーモウッドと人工木の違いとは?耐久性・コスト・環境性能を徹底比較【設計者向け完全ガイド】
この記事の要点
サーモウッドと人工木はどちらも屋外で使用される木質外装材ですが、素材の成り立ちや性能が大きく異なります。
- サーモウッドは天然木を高温熱処理した木材
- 人工木は木粉と樹脂を混合した複合材料
- 寸法安定性は両者とも高い
- 天然木の質感や断熱性はサーモウッドが優位
- メンテナンス性は人工木が優位
- 環境性能や炭素固定ではサーモウッドが優位
- 建築設計では用途ごとの使い分けが重要
外壁、軒天、格子、ルーバー、フェンス、デッキなどの木質外装材を選定する際は、価格だけでなく耐久性・意匠性・環境性能・ライフサイクルコストまで比較することが重要です。
結論|サーモウッドと人工木は「何を重視するか」で選ぶ材料
木質外装材を検討する際、
「サーモウッドと人工木はどちらが良いのか?」
という質問をよくいただきます。
結論から言うと、
天然木の美しさ・環境性能・断熱性を重視するならサーモウッド、メンテナンス負担の軽減を重視するなら人工木が適しています。
ただし、近年はSDGsや脱炭素の観点から、公共施設や設計事務所では天然木系材料への注目が高まっています。
特に外壁・軒天・格子・ルーバーなど建築意匠を重視する部分では、サーモウッドが採用されるケースが増えています。
目次
- サーモウッドとは
- 人工木とは
- サーモウッドと人工木の違い
- 性能比較表
- 設計者が知っておくべき選定ポイント
- よくある失敗例
- 紀州材サーモウッドという選択肢
- FAQ
- まとめ
サーモウッドとは?
サーモウッドとは、天然木を約180〜230℃の高温で熱処理した木材です。
薬剤を使用せず、水蒸気と熱だけで改質します。
熱処理によって木材内部の栄養分や水酸基が減少するため、
- 耐朽性向上
- 寸法安定性向上
- 吸湿性低減
- 割れ・反り抑制
といった効果が得られます。
近年では木質外装材として、
- 外壁
- 軒天
- 格子
- ルーバー
- フェンス
- デッキ
などに広く使用されています。
サーモウッドと人工木の違いとは?
人工木(WPC:Wood Plastic Composite)は、
木粉+樹脂
を混合して成形した材料です。
天然木の見た目を再現しながら、
- 腐朽しにくい
- 塗装不要
- メンテナンスが少ない
という特徴があります。
一方で、
天然木とは異なる材料であり、
- 表面温度
- 質感
- 経年変化
- 環境性能
には大きな違いがあります。
比較表|サーモウッドと人工木
| 比較項目 | サーモウッド | 人工木 |
|---|---|---|
| 素材 | 天然木 | 木粉+樹脂 |
| 質感 | 非常に自然 | やや人工的 |
| 寸法安定性 | 高い | 高い |
| 耐朽性 | 高い | 高い |
| 断熱性 | 高い | 中程度 |
| 表面温度 | 上がりにくい | 上がりやすい |
| 経年変化 | 自然な銀灰色 | 色あせ・樹脂劣化 |
| メンテナンス | 定期塗装推奨 | 比較的少ない |
| 環境性能 | 非常に高い | 中程度 |
| 炭素固定 | あり | 限定的 |
| リサイクル性 | 高い | 条件による |
| 意匠性 | 非常に高い | 高い |
なぜサーモウッドは環境性能が高いのか
近年の建築では、
「CO₂排出量」
が重要視されています。
天然木は成長過程でCO₂を吸収します。
その炭素を建築物内に固定するため、
木材を使うこと自体が脱炭素に貢献します。
一方、
人工木は樹脂を使用するため、
製造時のエネルギー負荷が発生します。
そのため、
環境性能を重視する公共建築やZEB建築では、
サーモウッドなど天然木系材料が選ばれる傾向があります。

設計者が知るべき実務上の違い
外壁・軒天・格子・ルーバー
建築意匠を重視する場合、
サーモウッドが有利です。
理由は、
天然木特有の陰影や素材感が得られるためです。
特に住宅や公共施設では、
人工木では表現しにくい高級感があります。
デッキ
デッキでは用途によって評価が分かれます。
サーモウッド
- 裸足で歩きやすい
- 熱くなりにくい
- 自然な風合い
人工木
- メンテナンスが少ない
- 塗装不要
- 汚れに強い
という特徴があります。

よくある失敗例
失敗① メンテナンス不要と思い込む
サーモウッドは耐久性が高い材料ですが、
完全メンテナンスフリーではありません。
塗装を行うことで美観維持が可能になります。
失敗② 通気層を確保しない
外壁設計では、
- 通気層
- 透湿防水シート
- 排水経路
が重要です。
木材性能よりも施工不良で劣化するケースの方が多く見られます。
失敗③ 用途に合わない材料選定
意匠性を重視する場所に人工木を使う。
逆に、
メンテナンスが困難な場所に天然木を使う。
こうした選定ミスは少なくありません。

紀州材サーモウッドという選択肢
和歌山県産の紀州材を熱処理した「紀州材サーモウッド」は、
外壁・軒天・格子・フェンス・ルーバー・デッキ向けに開発された木質外装材です。
特徴として、
- 紀州材の美しい木目
- 高い寸法安定性
- 優れた耐朽性
- 薬剤不使用
- 国産材利用による環境貢献
が挙げられます。
公共施設や教育施設、商業施設などでも採用実績があります。

まとめ
サーモウッドと人工木は、
どちらが優れているかではなく、
用途に応じた選択が重要です。
特に設計段階では、
- 耐久性
- 寸法安定性
- 断熱性
- 安全性
- 環境性能
- ライフサイクルコスト
を総合的に評価する必要があります。
意匠性や環境性能を重視する建築では、
サーモウッドが有力な選択肢になります。
FAQ(よくある質問)
Q. サーモウッドと人工木はどちらが長持ちしますか?
使用環境によりますが、適切な設計・施工・メンテナンスを行えばどちらも長期間使用可能です。
Q. サーモウッドは腐りますか?
未処理木材より腐りにくいですが、水が滞留する環境では腐朽する可能性があります。
Q. 人工木はメンテナンス不要ですか?
塗装は不要な場合が多いですが、汚れの洗浄や部材交換が必要になることがあります。
Q. サーモウッドは公共施設でも使えますか?
はい。外壁・軒天・格子・ルーバーなどで採用実績があります。
お問い合わせ
木質外装材の選定でお悩みの場合は、
- 外壁
- 軒天
- 格子
- ルーバー
- フェンス
- デッキ
の用途に応じたご提案が可能です。
設計段階からのご相談やサンプル請求もお気軽にお問い合わせください。
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