地域材利用が脱炭素につながる理由|建築で木材を選ぶことが未来の環境を変える
この記事の要点
- 地域材利用はCO₂固定・輸送時の排出削減・森林循環の促進に貢献する。
- 建築分野では木質外装材の採用が脱炭素設計の重要な選択肢になっている。
- 耐久性・寸法安定性を備えたサーモウッドは長寿命化による環境負荷低減にもつながる。
- 地域材は公共建築や民間施設でも採用が拡大している。
- 設計段階から木材を適切に選定することが、建物のライフサイクル全体のCO₂削減につながる。
導入文(結論)
脱炭素社会の実現に向けて、建築材料の選択はこれまで以上に重要になっています。
その中でも近年注目されているのが地域材を利用した木質外装材です。
地域材は森林で吸収したCO₂を建物の中に長期間固定し続けるだけでなく、輸送距離が短いため輸送時の環境負荷も抑えられます。
さらに、耐久性の高いサーモウッドを採用することで建物の長寿命化にも貢献します。
この記事では、
- 地域材利用が脱炭素につながる理由
- 木質外装材が環境性能に優れる理由
- 設計・施工時の注意点
- 実務で採用されるポイント
まで詳しく解説します。
目次
- 地域材利用とは
- 地域材が脱炭素につながる5つの理由
- 木質外装材が環境性能に優れる理由
- 他材料との比較
- 設計・施工時の注意点
- よくある失敗例
- 紀州材サーモウッドという選択肢
- まとめ
- FAQ
地域材利用とは?
地域材とは、その地域で育成・伐採・加工された木材を地域内で利用する考え方です。
例えば和歌山県では紀州材が代表的な地域材として知られています。
地域材利用は単なる「地産地消」ではなく、
- 森林整備
- 林業活性化
- 災害防止
- CO₂削減
- 地域経済循環
まで含めた持続可能な取り組みです。
地域材利用が脱炭素につながる5つの理由

① 木材はCO₂を固定し続ける
木は成長する過程でCO₂を吸収します。
建築材料として利用されても、その炭素は建物の中に長期間固定されます。
つまり、
**木造建築や木質外装材は”炭素を蓄える建築材料”**ともいえます。
② 製造時のCO₂排出量が少ない
鉄やアルミ、コンクリートは製造時に大量のエネルギーを必要とします。
一方で木材は加工エネルギーが比較的小さく、
ライフサイクル全体で見るとCO₂排出量を抑えられる材料です。
③ 輸送距離が短い
海外材は数千km輸送されることもあります。
地域材なら輸送距離が短く、
トラック輸送も最小限になります。
輸送時のCO₂削減も大きなメリットです。
④ 森林循環が維持される
適切な伐採と植林を繰り返すことで、
若い森林が再びCO₂を吸収します。
地域材利用は森林を健全に保つ循環型社会にも貢献します。
⑤ 建物が長寿命になる
耐久性の高い木材を使用すると
交換回数が減ります。
結果として
- 新しい材料製造
- 廃棄物処理
- 輸送
が減り、
ライフサイクルCO₂削減につながります。
木質外装材が脱炭素に貢献する理由
木質外装材には次のような特徴があります。
- 軽量で建物への負荷が少ない
- 断熱性能が高い
- 表面温度が上がりにくい
- 意匠性が高い
- CO₂固定効果が期待できる
近年では
- 公共施設
- 学校
- 商業施設
- ホテル
- オフィス
でも採用が増えています。
比較表|各外装材と環境性能
| 項目 | 地域材サーモウッド | 未処理木材 | 人工木 | アルミ |
|---|---|---|---|---|
| CO₂固定 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★ | ★ |
| 輸送負荷 | ★★★★★ | ★★ | ★★ | ★★ |
| 耐朽性 | ★★★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
| 寸法安定性 | ★★★★★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 断熱性 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★ |
| メンテナンス性 | ★★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
| 景観性 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★ |

設計・施工時の注意点
通気層を確保する
木質外装材は必ず通気工法を採用します。
一般的には18mm以上の通気層が推奨されます。
木口処理を行う
木口は吸水しやすい部分です。
見切材や納まりを工夫し、
直接雨が当たり続けない設計が重要です。
水切りを設ける
雨水が滞留しないディテールにします。
適切な固定方法
ステンレスビスを使用し、
木材の伸縮を考慮した施工が重要です。

よくある失敗例
通気不足
→ 内部結露が発生する
木口露出
→ 劣化が早くなる
水が溜まる納まり
→ 腐朽の原因
ビス位置不良
→ 割れや反りを誘発
これらは材料ではなく、
設計・施工で防げるケースがほとんどです。

紀州材サーモウッドという選択肢
地域材の中でも、耐久性と寸法安定性を高めた木材として注目されているのが紀州材サーモウッドです。
高温熱処理によって、
- 耐朽性向上
- 寸法安定性向上
- 含水率低下
- メンテナンス負担軽減
などが期待できます。
特に
- 外壁
- 軒天
- ルーバー
- 格子
- フェンス
など屋外用途で採用が進んでいます。
設計段階から耐久性を考慮することで、
建物全体のライフサイクルコスト削減にもつながります。
専門家コメント
木材は「環境に優しい材料」であるだけでは十分ではありません。
建築では、
- 適切な樹種選定
- 通気設計
- 雨仕舞
- メンテナンス計画
まで含めて初めて長寿命化が実現します。
地域材サーモウッドは、そのような設計思想と相性の良い外装材の一つといえるでしょう。

まとめ
地域材利用は、
森林保全・地域経済・脱炭素を同時に実現できる建築手法です。
さらに耐久性の高い木質外装材を選択することで、
建物全体の環境負荷も大きく低減できます。
これからの建築では、
「価格」だけでなく
「ライフサイクル」
「CO₂削減」
「地域資源活用」
まで含めた材料選定が重要になります。
FAQ
Q. 地域材は本当に脱炭素になりますか?
森林で吸収したCO₂を建築物内に長期間固定し、輸送距離も短縮できるため、ライフサイクル全体で環境負荷低減に寄与します。
Q. サーモウッドは屋外でも使えますか?
適切な設計・施工・メンテナンスを行うことで、外壁・軒天・ルーバー・格子・フェンスなど幅広い屋外用途に使用されています。
Q. メンテナンスは必要ですか?
素材の耐久性が高くても定期点検や清掃は必要です。立地条件や用途に応じた維持管理計画を立てることで、より長く美観と性能を維持できます。
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